2024年10月23日

隆庵が指摘する事業計画の作り方

所感

クライアントの事業計画を策定することがままあります。毎回話している「経営理念」とそれに基づく「経営方針」そして「投資計画・収支計画」の立案といった一連の経営計画を策定していくのですが、実は前段階としての上位計画、つまり国や県といった行政の都市計画等の存在、又大型SCの出店計画の有無、出店だけでなくリニュアルなどの計画の有無といった情報。道路の拡張やその他の計画など、自分たちではコントロールできない状況の発生有無を知ることは大変重要な項目でありましょう。

 次にようやく、コンセプトの構築、自分たちの事業領域でどんな差別化が出来るのか、事業領域の中でどのようなマーケットポジション、位置づけであるのかを明らかにする作業が必要です。

 位置づけを決めたら同じ事業領域の範疇にどんな企業が存在しているのかを見極めることが大切です。おそらくは市場に打って出る商品の価格帯によって見出すことが出来ます。

それらの企業体とどういう戦いを演じていくのかを戦略方針として仮説を立てるのです。

デザイナーが「戦略家」になる瞬間です。さて、戦略と一口に言っていくつもの方向があります。

1.価格戦略・・・これはあらかじめ決めてました。マーケットポジションの際にに価格帯に関しては議論いたしました

のでそれを踏襲しますが、見直す場合もありますがそれはまた別の機会に・・

2.立地戦略・・・売り方といってもいいでしょうがともかく戦いの場所を決めます。場合によってはすでに決まっているのかもしれません。飲食店などは立地があってこそ成立しますから

3.顧客戦略・・・ある意味最も大切な戦略です。どのようなお客様に対して自らの存在価値を認めてもらおうかという思考であります。そして

4.商品戦略です・・・以前のようなものがあればいいといった時代ではすでになく多くのものは世に出回っています。そこで現代のような個性化の時代では顧客各自のライフスタイルに関して知っておく必要があるわけです。

 以前このコラムで紹介したように消費活動における優先順位はそれぞれですしかも消費活動に自らの主張を持つ顧客が増えている事も事実なのです。

要するに、どのようなお客妻のどのような要望に対して(ここは推理もふくみ現状ないものを提案する内容もあり)どんな商品やサービスをどんなタイミングで提供するのかを仮説でいいから決め込んでいきます。そうしておいて

5.支出原価の計画・・・上記条件を可能にするための原価計算、経費計算そして投資計画、投資回収計画となります。

6.資金計画・・・資金の調達方法とその可能性、手段の検討と実施などなど

 このような計画をもってブランド化、デザイン化、オペレーションの詳細、

 プロモーション、パブリシティ、情報、インスタグラムなどの活用といった具合に発展させ、市場に打って出るというのが今回の話でした

 ご参考まで・・・

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2024年10月19日

子供の頃の思い出の一コマ

 田舎に走っていた蒸気機関車に乗った経験がある人が段々減っているのだろうな・・
 昔話の記憶のようにセピアカラーになっていってなつかしさを感じています。
 今や記念物として展示されている代物になっている。

 蒸気機関車の乗り心地といえば、がたがたと振動がきつかったこと。客席の窓際に灰皿があったこと、多くの人が喫煙していたという事
 ポーーっという音に哀愁を感じたこと。トンネルに入る前に慌てて窓を閉めたこと・・・お客さん同士の協力体制が素敵だったこと。
 石炭の匂いが強くて服に匂いが付いたこと・・乗ったことがバレバレだったこと

 そして何より機関車に人格のようなものを感じたこと・・・これは今でも鉄道マニアなら当然の感覚でしょう

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2024年10月04日

デザイナー神社を歩く

熊本は人吉に青井阿蘇神社があります。

御祭神は神武天皇の孫にあたる健磐龍命(たていわたつのみこと)

その妃にあたる  

阿蘇津媛命(あそつひめのみこと)の二神の子神である國造連・・(くにのみやっこはやみかたまのみこ)の三柱の神様です。

この三柱の神様の御守護を仰ぎながら人吉球磨地方の開拓が営まれこの地が安住の場となって行きました。

平安の昔から千年もの歴史を紡いできた「青井神社」は領主であった相良氏によって篤い崇敬をうけ地元の人々から「青いさん」と呼ばれ親しまれています。

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2024年09月28日

秋分の日に

暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものですね、記録的な猛暑もここにきて朝夕涼しくはなってきました。昼間はまだまだ30度を越えていますが今までの事を考えると明らかに季節の変化を感じます。

 秋分は春分と同じく昼夜の長さが同じになる日の事。

段々と本格的な秋がやってきます。

 ここのところの暑さは季節感を吹き飛ばす勢いですから日本列島春夏秋冬の体感がずれています。12月の中頃までは秋という感じがしますね。

 デザイナーは旬、季節感は旧暦に沿っていきます。僕の場合は商業デザインというジャンルでの活動なのでやはり季節の先取りを考えなければならないのだから、日ごろから旧暦は意識します。

二十四節気、七十二侯に応じたデザイン感覚を磨かなければなりません。

秋分の日というのは日本では「農事」としての意味合いをも込めていて、豊作を祝い、感謝を捧ぐ、田の神様を祀るころでもあります。

 稲刈り後の田圃、遠景に「阿蘇」あり

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  これらの絵を収録した画集
「日日是一画」アマゾンにて好評販売中


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2024年09月26日

秋分考

暦の上ではとうに「秋」とはいうものの連日30度を越える暑さがつづいたのが今年の「夏」

 まぁ例年通りでマスコミは毎年最高の気温とかで毎日報道していますね・・

暑さ寒さも彼岸まで とはよくいったもので朝夕は少し涼しさが訪れてきています、旧暦のほうが季節感をよくあらわしていると思うのは私だけであろうか。

とにもかくにも今日は「秋分」彼岸花があちこちに咲いています。曼殊沙華とも呼ばれています。その意味は「天に咲く赤い花」という意味だそうです。

藍色に近かった空の色もようやくホリゾンブルー、水色になってきます。イワシ雲のお目見えも近いと予感しているのです。

深呼吸しても肺に熱がこもることもなさそうですね・・・・

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2024年09月23日

旅館経営を考える

ある地方の温泉旅館のコンセプトを考える。

どんなお客の来店動機に応えるのかをまず明確にすることが大事。

それによって施設の在り方から接客方針が決められるのです。

 人々の旅に対する意識の変化がここ20年ほどでずいぶんと変わってきてます

まず、団体ツアーというものが減少。それに伴って大宴会場というものが不要になっていきました。所謂舞台つき、カラオケつきなどの大掛かりな宴会の減少によって、過去繁盛していたビジネスモデルの変更を余儀なくされた時を経て、大型旅館のリモデル、リコンセプト、改装を実施していったことが、投資額過剰によって経営コストの高騰が起こり下記のような問題を生じさせました

1. 人件費にコストのしわ寄せがいき高額な給料が出せなくなったという事

 それによって@慢性的な人手不足に陥ったA離職率が高まったB人手不足によるサービス付加価値の低下・・・悪循環は設備維持費などの節約といった具合に段々と旅館そのもののレゾンデートルが薄れていったことが客数減少となって行った。

 海外資本の導入を余儀なくされていったという事態になりマネーゲームの標的にされていった例もあります。

2. 社会の高齢化に伴ってあらゆる市場が縮小される中で確実に業績アップを可能にしている「旅館」の存在がある。という事に気づいたのも投資効率を考え直しましょうという考えに至ったこと。

ピンチをチャンスにかえようと・・・


デザイナーはだからこそ「コンセプト」を見直すべきだと提案していきたいのです

 1.顧客を設定する

 2.一組グループは何名を最低基準にするかを設定する・・・二人を基準に考

  えると夫婦、カップル から家族5人までを基本に設定する

  ・・・とした場合の客室スペースが設定できます・・

     食事の形態が設定できます・・・客室の設備他の設定

 3.予算の設定・・・ここではっきり旅館のレゾンデートルが明確化されていくというわけです。

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2024年09月12日

料理を展開するヒント

前回紹介した料理の在り方を参考にして考えてみます。前回は和食のそれぞれのジャンルをとそれを分解して提供している居酒屋のあり方を説明しましたが、少し深入りして考えてみたいと思います。

 今や何でもありの飲食店では顧客満足も経営利益も中途半端になるという事なので、各ジャンルの中の料理を選び特化させる手法でコンセプトを構築していく方法が取り入れられていきました。

 順をおって考えてみます。まず小鉢、前菜を前面に押し出した店が「小料理屋」という業態になり、お刺身を前面に押し出すと「刺身居酒屋」「海鮮居酒屋」となり、焼き物を特化したら「串焼きや」「焼鳥屋」「焼肉」などがあげられ、揚物は当然「てんぷらや」となります。煮物は「おでん屋」ごはん、米などは「どんぶり屋」などともとは会席料理の部分だったものを一気に主役とした店づくりなのですよね。

 続けてデザート特化型「甘味喫茶」など

その特化させたメニューで市場に進出し成功している店はいったいどの部分を強調しているかを観察するのも面白い「マーケティングリサーチ」ではないでしょうか。

 さらに細分化していくと食材のカット方法や調理方法などにこだわっている店もあります・・・秘伝のタレ云々、スパイスに特徴ありとかですね・・・

また自家製の豆腐、はたまた自社農場、牧場など産地にこだわった店など考えてますねー

現場の打ち合わせはいつも真剣(あたりまえ)です。デザイナーの立場のときもあれば店舗開業プロデュースを担当しながらデザイナーの仕事をする場合もあり様々な立ち位置があるわけで、今回はデザインという観点からかんがえてみようと思います。

 確認作業としてはまず、事業全体を貫く思想、哲学、所謂理念の存在です。

この事業を通して会社や個人がどの様なお役立ちに貢献するかみたいな言葉を見つけます。

 例えば、「価値ある豊かさの創造」・・・これは半世紀前のすかいらーくの理念でデザイナー個人としても好きな文言でした。

 次に、具体的な事業のコンセプトですが、コンセプトはお客様と自社をくっつける接着剤のようなもので、すべての人のすべての満足に貢献はできませんという話です。したがってお客を選ぶという事になります。

 例えば、ロードサイドを走って、移動途中の営業マンがお昼ごろお腹がすいたからランチをしようといったニーズにこたえるために飲食店を出そうということ。この場合の市場ニーズは「空腹を癒す」「車で移動中」といった現象を想像したときに、@どんな場所Aどんな食べ物B提供時間の制約C雰囲気などを決めていきます。

 それに応じたデザインは?

看板などは400m前から確認できるために色と大きさを決めます。飲食店は赤、黄色、オレンジなどの原色とその組み合わせが多いですね。という事からコーポレートカラーが決まります。

 それを基準にすべてのデザインの統一感をはかっていく。ここからがデザイナーの仕事という事になります。

 店内のレイアウト、装飾、ユニホーム、メニューブックおよびメニューデザイン、音響、照明などでどんなファッションのお客を想像して決め込んでいくわけですね、デザイナーとは言ってもその仕事の範疇はかなり広範囲にわたるという事です。

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 あったかシチュー

posted by 筆文字や隆庵 at 09:59| Comment(0) | イラストデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする