2025年04月27日

自身の位置づけが変わるという事

 おおよそ10年で自らが置かれているポジションが変わるという事を体験してきました。現在の私の仕事がどんな経緯をもってここにあるかを事例にしてお話したい。
 10年前と現在を比べてみて、同じ業界にて仕事をしているのに求められている役割か異なってきています。
大きな組織内での変化、人的資源の配置転換や責任範囲が変わっていくのは当然ありうることで、それは各人の体力的な問題やキャリアに関しての適材適所という事でよくあることなんですが、私のような「個人事業主・一人社長」であっても、そのポジション、なすべき課題も年を経るにつけてドラスティックに変わっていったのです。

 私の職業の歩みは次のようなものです。
35年ほど前に「飲食コンサルタント」として無謀ともゆうべき独立を果たした私は、「コンサルティング事業」とはいえ仕事がなければただの無職であるといった環境下に身を置いたのです。
 それまでの人脈と紹介者の存在もあり、最初の仕事は下請け的であり「飲食店のオペレーション指導」という立場で現場における接客指導だとか店長マネジメントといった領域を担当していました。
これらの仕事は、大手チェーン勤務時代の経歴、その後の繁盛料理店の支配人としての経歴を評価していただいた飲食業オーナー、社長さんに感謝する所が大でありました。
 本来はアドミニストレーション担当「戦略立案参謀」として独立したかったのですが、まずは現場からといった仕事の原理原則を踏まえていったという事です。現場の店長や社長たちと一緒に汗を流し、苦楽を共にすることから一切は始まるという事なんでしょう。
 上から目線、評論家的な発言、どことなく他人行儀な態度は厳禁という事を学んだのでした。
時代はバブル期の後半というか後でわかったことですがすでにバブル末期のころを思い出します。90年代中頃、飲食店の出店ニーズというのがありました。
 ことに、異業種から「飲食事業」への参入を考えていた中小企業があり建築・内装業者にその出店相談なるものが持ち込まれていった時代。
自社の遊休資産、人的資源、バブルで稼いだ資金等の活用を目論んでいたようです。
 企業の社長が飲食店が儲かりそうだという事で(確かに粗利は高いので経常利益率も20%といった店もありました)あり、自社により研究し例えば税理士に相談、例えば実際「人気の店舗」に相談、もしくはその店舗を設計・施工した業者に相談するといったケースがありました。
私自身独立して5〜6年たっていてそういった業界との関係も「商工会議所」を通じ構築していましたから、当然協働体制をもって、出店企画といった仕事を積極的に行っていったのです。
 その内容は実に多岐にわたっており、店舗のコンセプトの立案、新規事業として飲食を選択した理念と理由の明文化、立地の選定、業種業態の設定、商品計画、人的資源の募集、社員教育、販促広告宣伝、事業計画の策定、オペレーションマニュアルの策定など一手にコーディネートした時代で、私の業界内でのポジションが「飲食事業総合プロデューサー」ということになって行ったのです。独立して10年頃の事、働き盛りで休みなどなく各地を飛び回っていた時代です

 個性時代の到来・・・従来の大型店中心の業界が小規模ながら個性豊かな「料理人」の登場によって、コアな世界、専門店の台頭といったタコつぼ型のマーケットがもてはやされてきました、「コアコンセプト」の立案は一店舗ずつ違う顔を持つ店づくりという事で、「オーナーシェフ」独自のオペレーションがクローズアップされてきて、外部の「コンサルタント」の守備範囲が小さくなってしまいました。と同時に店舗を取り囲む状況も一変し、先ほど述べた立地から販促に至るまでの要素も個性的でかつ深い観点からのアナリストが必要となって行きます。総合から専門へといった職業の流れが変化していったのです。
  当然私の立ち位置もより専門家としての深みが要求されていきます。
 広く浅くではなく、特定の「気が合う・波長が合う」お客さまと深く付き合うというスタンスに徐々に変えていきました。つまり特定海しぇとの「経営顧問」的立ち位置の実現を目指したのです。この時も色々な紹介者によって私という経歴、性格から生じてきた「私ブランド」を理解してくれる会社・店を選んでいただいたと認識しています。これも感謝すべきことです。
 結果として同世代の方々との新しい出会いもあり、経営顧問としては外部取締役的立場によっていくつかの店の成功事例を創っていくのですが、それは今の私の主力になっている「デザイン」「ブランディング推進」のためのツール制作のもとになっているのです。
併せて「商工会議所」の非常勤講師としての活動も含め、一時のアグレッシブさは影を潜めたものの、そこそこに飲食業界の役には立っていると自負しています。

 さて、70代を超えた今数々の経歴をもとに「ブランディングデザイナー」「筆文字や隆庵」としていまだに筆を持ちアナログこそ「心の時代」を現わすのだという信念で、「デザインの仕事」に情熱をささげています。今後の10年の目標は、「アートと人生の関わり」といった画集の出版、そして新たな人材たちによる「飲食業界」活性化のお手伝いをしていくという目標を立てています。
 という事で改めて「飲食事業」に乾杯・・・・
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2025年04月21日

飲食店メニュー作りの肝

新たにメニューを作ろうと思う時には如何なる検討項目があるのであろうかと考えてみたい

先ず、改めて考えるべき項目は一体我が家のお客は何を求めているのかを考えなければならないのである。

 自店のコンセプトがなんであるか・・・そのコンセプトに共鳴しているお客様が今まで来店していたはずであると、まず思ってみよう

 次に来客数の推移として減っていきつつあるのか増えつつあるのかを検討してみよう。通常何もしないでいたら確実に客数減に見舞われます

 それは、お客の自店からの卒業を意味します。

卒業とは、お客自らの市場発見、年齢によるもの、また職場や環境の変化立地の特性の変化によって行動範囲の変化を起こし自店への足が遠のく場合とかがあります。例えば大型店の出店があったとか、立地環境の変化、住宅事情の変化などが様々に卒業に対して影響を与えます。

 だから必然的に新規顧客を毎日一定数確保しつつ、従前の顧客の流出を防ぐための施策が必要になるわけです。

つまり客数を分解するとこうなります

 客数=旧顧客(開店してから今日までひいきにしてくれた顧客層)+新規客(今まで利用していなかった顧客層)

 という事で、新しいメニューはどういった戦略なのかを明確にすると その目的が旧顧客の回帰性強化につながるという事になります

 尤も、その新商品も自店のコンセプトから逸脱しないという事が大事ですが

 同様のメニューも新客に対するアプローチとしても有効です。そこには新商品プロモーションといったイベントの要素も含まれ外部告知による潜在顧客の掘り起こしにも役立つと思うからです

 つまり定期的なメニュー導入は飲食店経営において欠くことのできない戦略だという事を確認しておきましょう。

 また新メニューを作るといったクリエィティブな仕事やお客様をイメージするといったイマジネーションの仕事を続けていけば必ずその人たちの能力向上に役立つとも思うのです。

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2025年04月19日

デザイナーの仕事

趣味的な行動と実益・・この幸運な仕事のひとつとして、飲食店や旅館の

食事時に使用するランチョンマット、料理敷き紙のデザイン画と言葉を添えお客様にメッセージを届けていくということ。しかもシリーズ化しており年に数回の納品となっています。内容に関しては私の趣味のひとつである旅紀行、又は名所旧跡のお知らせ・・それもきっちり「テーマ性」を持たせてあり、お客様がもって帰りたいような内容にしています。

 ローカル情報のひとつとして歴史探索をテーマに、その地域(店舗のある地方)の歴史的背景や地政学的な特徴等を、絵と筆文字にて説明しシリーズ化していったケースがあり、又はその地域の特産物の紹介・・単なる商品紹介だけではなく開発手順や苦労話などを時系列にせつめいする等、工夫をしていきます。長崎街道という名の物語を歴史の流れ、街道の役割、過去現在に起きたエピソードなどを記したランチョンマット、敷き紙は20号を超えお客様に楽しんでもらっているという事です。

旅館は四季折々の風物詩をテーマに、絵と文字・・・絵本のような感じで食事を待っているお客の知的好奇心を掻き立てています。持帰って保管されているお客さまもいらっしゃるそうです。

 単なる紙がコンテンツとなっている証左です。

このように、お客の目に触れるもの、手に触れるものすべてが飲食店・旅館のブランド発表の手段だという事を改めて考えさせられています。

 ポイントはテーマの絞り込みと継続性なのだと思います。

 個人的には司馬遼太郎著「街道を行く」を参考にしています。その土地土地における歴史的な背景、出来事など面白いですね・・・
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2025年04月16日

デザイナー・インナーブランディングを考える

事典によると「インナーブランディング」とは企業や店の理念やビジョンを従業員に浸透させる社内向けのブランディング活動の事。

 自店で働くメンバーは共通の認識を持ってこそユーザーに伝わるわけで単なるお題目のようなスローガンではなくて、実務に裏付けされたものでなくてはならない。

 スタッフ一人一人の態度や仕事への取り組み方、お客様の目に触れるもの、接触されるもの、五感で感じるすべての情報には自店らしさの意味をもっていなければだめで、この内容(コンテンツのすべて)を日々の会話の中に必然として存在している事。またミーティングにて伝えておくことを忘れないでいたい。共通認識、方針の徹底こそブランディングの柱だと思います。

 「私たちの想い」としてキャッチフレーズ化しているお店もあってお客様の目に見える場所、例えばレジの場所、フロントカウンターの場所などに提示しているケースもあります。

 今回は先週訪問した旅館での女将の話しを紹介します・・・

人手不足の解消ということで旅館内の必要作業を細かく分類し 2〜3時間のパート作業として数人にやってもらってるのですが、その際は必ず各作業の意味を伝えることにしています。

 何のためにこの作業をしているのかという事です。全体の在り方として、私たちの旅館に訪れるお客様がみな「心の安らぎ」を感じていただくために存在しているという事をまず理解していただきたい事をスタッフに伝えます。まぁ基本理念というものですかね、そのことを念頭に置いてくれたならば、そのお客様自身が帰られた後に明日からの活力を得て元気で健やかな社会生活を送っていくことが、最大の目的だという事を認識したうえでの作業が出来ると思うのです。

 そのために清掃があり、食事準備のテーブルセッティングがあり、風呂の清掃あり、ロビーの整理整頓あり、庭の掃除があるのです。

 これら一連の仕事はおもてなしの心の表現としてスタッフ各人の使命でありそのことが各自の喜びとなって行くはずです。たとえお客様と顔を合わすことのない時間帯と場所とで仕事していても必ず心は伝わります。すべての仕事の先にはお客様の「心からの笑顔」にがあるんですと、常日頃の雑談の中で話しています。

 全てはお客様の笑顔のためにが、スローガン、口癖のようなものですね。

 という事でした。

私はデザイナーとして、スタッフ各人のためにお客との対話がしやすいようなブランディングツールを用意することを働き甲斐になっているという事です。

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2025年04月09日

お勧めショップカード

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上の絵は、右に「永谷園」のお茶漬けの素についている、広重作の「東海道五十三次」商品販促というかイメージ戦略としての位置づけを持っています。老舗っぽい雰囲気、江戸文化の継承による企業イメージを消費者に訴えています。
左の絵は私が描いた、「阿蘇嶽巡り画」というテーマで阿蘇山の一部、根子岳を描いてます。
地元のしょうゆメーカーや食品、お土産店に売り込んでいます。
 阿蘇を知ってもらおうシリーズに使ってもらおうと考えているのです。
 下に



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2025年03月22日

デザイナーマーケティングを語る

マーケティング用語の中に「ペルソナ」という言葉があります。

その意味といえば「人格」「プロフィル」とでもいえばいいのでしょうが、

店が自分のお客様として設定する目安として、顧客層というか商売する時に誰に勝ってもらう商品なのかといったことを考えます。コンセプトに応じたターゲットなどといいますが、「ペルソナ」とはさらに細かいところまで設定します。いうなれば顧客層というより顧客像といえます。

 設定項目としては、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、家族構成、趣味、特技、価値観、ライフスタイルなど、想像を具体的に展開し顧客モデルを設定し、商品開発、サービス、デザイン、など提供する戦略を明確化していく手段として考えるのです。

 したがって「顧客層」というより「顧客像」「ターゲット」ではなく「ペルソナ」という事になります。

 前回かいた「マーケティング調査」といった定量データやSNSなどのつぶやき状況などを加味したうえでこのの「ペルソナ」との整合性を検証していきましょう・・

 顧客像が何を欲し、なにに困っているかなど「ペルソナ」設定で考えやすくなっていきます・・・定期的な見直しはもちろん必要ですが・・・

 こうすることによってあらゆる顧客像に合わせるのではなく、ニーズの絞り込みによる「クォリティ」を高めることやコスト、ロスを防ぐことが出来ます。

 事例としてこんな「ペルソナ」を設定して店づくりアドバイスをしたことがあります。

 50代の会社員、中間管理職である課長、直属の部下は係長以下5人、業績維持に四苦八苦していて結構ストレス在り、年収700万円だが家のローンも残っていて、子供の学費(大学生)の負担も多いことから、遊興費はあまり使えない、会社の接待もあって「飲酒の機会」も多いが個人的な「飲酒」でリラックスしたいと思う事がある。趣味は学生の頃「フォークギター」なるもので楽しんだことがありながら特別な音楽シーンにはこだわっていない。部下たちと飲みに行ったりカラオケなどの選曲にはついていけないなあと思っている。

 こういう「ペルソナ」を設定・・・

お店を出そうとしているオーナーは50代後半の元船会社の船内コックだった人で、船員ならではの余暇の使い方をしていて「フォークギター」は得意だったそうでした。

その彼が「立飲み屋」をしたいという意識があり・・そこで次のような店づくりを提案・・・

 場所は地方都市の繁華街、料理屋、飲み屋、スナックなどが乱立、その中で店主自らに出来るだけストレスのたまらないお客に来てもらおうという事にしました。テーマは「むかし取った杵柄」「懐かしい感じ」「青春フォーク」を提案、店内の雰囲気は壁にレコードジャケット・・吉田拓郎、井上陽水、竹内まりあさんなどを掲示、曲も同様なスタイルで、音量は小さく、なんとなく潜在意識にしみこむようにしたこと。さそて大きな提灯に店名「元気です」といれた・・店名の由来は吉田拓郎さんのアルバム「元気です」から借用・・

結果として狙い通りのお客様が来店、この地域で評判の立飲み屋として認知されたのです。今から15年ほど前の話しで今でも60代になったオーナーは店に出ています。もっとも週3日ほどの営業だそうですが・・


 今日の一筆は👇 鉛筆画、南阿蘇高森町からの阿蘇五岳

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2025年02月03日

立地の事を書きます

昔も今も商売にとって立地はすこぶる重要なポイントであります。

どんないい商品をもっているとしても販売できなければ何の意味もないという事は商売されている方全員が思っている事です。

 そうであるから「立地戦略」という項目は絶対にはずすことのできない課題であるのです。ことに飲食店や小売店は立地環境の違いによって大きく売上が変わっていきます。

 店舗開発の肝といっても過言ではないのですが意外とその点を見落としていて家賃他その条件を優先して出店を決めているオーナーの多いことに驚いています。

 日本料理で成功した件の社長もその例にもれず、繁盛している会社に必ず現れる不動産屋さん、とその不動産屋さんの情報をもっているベンダー会社、銀行などの融資担当者が日参し出店しませんか・・・とくる。

 よくある立地紹介のパターン その1.今まで営業されていた店が撤退したのでその後にいかがですか?家賃も安くなっているし、厨房施設なども残っています。これを「居抜き物件」という。・・・何らかの理由で撤退しているのだからその点調査する必要ありですね。飲食店撤退、代替えとして考えている家賃欲しさの不動産関連タイプ

その2.新しい商業ビルを建築している「デベロッパー」からのアプローチに関してはそもそものビルのコンセプト、周りの環境、利用動機のありかなど調査検討のことが必要。又そのビルの建築に当たっての資金状況、敷金・保証金・家賃の形態(固定家賃・売上歩合かその併合か)、さらに大事なことは建設予定地の地歴、市場の背景、不の要素の有無(不便・不安などの心理的障害)治安状況・ビルの競合状況など

その3.郊外立地の業態転換など、洋服店が撤退した跡地、ガソリンスタンドの跡地、最近ではコンビニの跡地というケースがそろそろ増えてきそうな感じは在ります。

その4.自社に店計画があり自らの条件設定が出来ていて、それに合う立地というものの判断できる物差しをもっていて自らも動いて立地を探すといったケース・・・1〜3の情報も自らの判断基準で取捨選択できることが大切です。

※プロ野球選手のドラフト候補生をさがして回っているスカウトみたいな仕事です。スカウトの腕の見せ所なんですが、そこには最低限の条件がありますよね、球団の方針に沿わなければならないように、立地も社の方針というものがあるはずです。

 周りが持ってきた情報の見極めにも判断基準が必要だといえます。

飲食店の立地もその良否の基準も変化してきました。

 主要交通機関の周辺立地(アーバン)にある百貨店、ホテル、会館、そして飲み屋いったところから、モータリーゼーション発展を機に郊外(サバーブ)へと移り変わっていき、主要幹線道路沿いはチェーン店が目白押し駐車場付きの大型店舗が軒を並べていました。(どの地方に行っても車窓からの景色は似たり寄ったりになっています)大きな看板を目印にしてたくさんのお客がこぞって郊外型ファミリーレストランなるものに集まって商圏を形成していった時代を経て、今また街なかに帰ってきているようです。

 百貨店食堂、ホテルレストランからはじまった外食産業はチェー店の全盛を迎え、そのご成熟してきた市場内には価格訴求型の店と価値訴求型専門店、さらには食べ放題のバイキングなど外食企業もその形を枝分かれさせながら今日まで至っています。標準化、単純化を構築してきたチェーン店から顧客対応型、そして日々のイノベーションが求められるほど今のお客様の成熟度は高くなっています。時代に対応して立地を選択しなければならないしそのための物差しを早急に確立しておくことが大切ではないでしょうか。

 ある地方において貸しビルオーナーから十数億で買い取った飲食店オーナーがその立地環境において過剰投資のせいか、衰退していったという例もあります。物差し不備の結果かと考察する次第です。

 恣意と思い込みと、成功体験が失敗を呼び込むケース大である。
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2025年01月28日

デザイナー水商売を語らせて

Wikipediaによると

水商売(みずしょうばい)とは、利用者の遊興を目的とし、客のひいきによって成り立つ盛衰の激しい商売。例として、待合・貸座敷・料理店・バーなど酒場・キャバレーなどに客からの人気によって収入が大きく上下する商売。水稼業とも言われる。

とある。

外食産業という近代経営を飲食事業に適用し、「脱水商売」といった旗印を掲げ上場企業を創ろうとの意気込みで、少なくない企業が同じビジョンをもって邁進していきました。わたしもその中の末席を汚していたのですが、故あってその企業を辞して、新たな道を歩み出したという話は前回いたしました。

 脱水商売といったスローガンをどういう行動で示していったかというと。

先ず身だしなみ、出勤時における服装はスーツ姿である事。髪は耳が見える長さで調整する事。匂いのきつい整髪料禁止、などなど

 きわめて普通なのですが、この業界の先人たちはその辺が無頓着であったという事、たばこを吸うマナーも、言葉遣いも、日常生活も云々・・・といったことを入社してすぐに教育され、当たり前のビジネスマンとして日々仕事にかかるようにと口酸っぱく言われてました。

「産業化の第一歩は人材教育から」とばかり、チェーン化推進企業各社はこぞって教育に予算を割り振っていました。またその前段としてリクルート活動も大卒狙いでした。

 こういった環境で外食の仕事をしていた私は、今回の転職においてまざまざとその「水商売的感覚」が従業員のなかにあるのだといった現実を見ることになったのです。

 スーパー繁盛店であるこの店舗は社長の元に調理師30名、仲居さん30名とかなりの大所帯で運営されていて、その組織運用にはかなりの苦労があったという事を社長から聞かされるのです。

 私自身こんな世界があるのかという衝撃を受けるほどの世間知らずであったのです。当初は売上金の管理マネージャーだった私がいよいよこの組織の中でもまれていく事になります。

 社長からのミッションは日本料理界での「近代経営化」推進の一助を担ってくれという事でした。・・・そのために私を入社させたのだと・・・

 色々な人が組織にいました。ある店で借金していてどうにもならない環境下の仲居さんとそのご主人の板前さんを借金事まとめて引き取ったという社員。

転々と職場を変えて腰の落ち着かない調理師。

 若き調理師と恋仲になってる仲居さんやら・・結構大変だなあと思った次第ですがとにもかくにも、まずは仲良くなるための雑談から始めていったのです。当時私の立場は社長付マネージャーという事で指示伝達の橋渡しを担当するという事になっていました。

 新進気鋭の社長は直情型、剛腕で社員たちはかなりピリピリした中で仕事をしていました。ですから末端の意見など社長の耳に届くわけなくて社長自身もその事はわかっているのだが、さてどうすればいいかは理解されてなかったようです(社長の日頃のたいどだよ・・・と言ってやりたかったのですが)

 この会社では賄いというものがあって皆が一斉に食事をとるという習慣があって仲居さんはパントリーというところで食事をとりマネジメントの連中はその仲居さんと一緒に取っているらしい・・マネジメントの連中とは@経理常務の社長の親戚A営業担当の専務は弟さんBそして私

 ・・この体制から調理と接客の間に溝があったと推測してしまいます。

調理師は厨房の中で(とにかく広い)まとまって食事する。ということ

仲良くなるための雑談の成果か私はいつの日か料理長と一緒に厨房内で若き調理師たちと一緒に食事をするということになって行きます。

 その折にフードサービス論といった話をすることが恒例となっていきます。

ともかく今のままじゃ時代遅れとなろうといった気持ちがめばえていった調理師が増えていったようでした。というのは彼らの大半はゆくゆくは独立して店を出したいと思っているからです・・

 調理師といった技術者としての道を歩むものとしてはおおむね二つの方向が考えられます。一つは独立して店主となる道・もう一つは企業戦士として社内に残り役員を目指す道。・・・これはどんな業種にも当てはまるかもしれないけど特に「飲食業界」は顕著ではないでしょうか。

 スペシャリスト候補、ゼネラリスト候補といってチェーン企業でもそれらのキャリアプランは在りました。

問題なのはこの二者の範疇以外の思考をもっている社員・・彼らには日々の給与と休日に対しての要望が最優先という事も段々とわかってきました。

 という日々を送ったというのが私にとって貴重な体験ではありました。
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2025年01月24日

デザイナー外食企業で働く

この物語はデザイナーとしての私が過去どのような経緯で今があるのかを綴っていこうと、本年のブログテーマに揚げたものです。

さて、入社7年後

スーパーバイザーから地区本部電算室へ・・コントローラーという職務に赴く

地区本部所属の2エリア15店舗の計数、年度事業計画の策定と予算管理実績追求といった職務、収支計画と支払いといった仕事をしている経理部ではなくより実践的な日々の営業に直結した計数管理を店舗に指導指示助言を与えるといった職務で、管理会計・部門別管理を徹底するといった趣旨で作られた作業部会、1人で20店舗前後の店舗をうけもつのですが現代のような情報機器がありませんので大方は手作業という事になります。・・・しかしこのアナログ的な作業のおかげでのちのちの仕事に大きく役立ったのはありがたいことだったのかも・・・

 店舗は日々生き物のように動いています。だから通常の〆1か月の経理仕事では結果が出るまでの時間がかかるため改善のための施作がおくれるという話になって新たに「週間損益計算書」のシステム導入ということになったのです。要するに年間52週分の損益を毎週追跡するということになりました。という事は毎週棚卸があり、毎週人件費計算がありということで現場が大変という事でコントローラーの存在意義があるのです。

 数字の変化はただ単に数字があるのではなく、現場において何らかの行動の変化があったから結果として数字にあらわされるという事は、現場に精通しているマネージャーからの転身しているスタッフじゃないと判断できない仕事

それがコントローラーです。

 どのような流れかというと、年度末までに各店舗の年間事業計画が各店のマネジャーから上がってきます。それをエリアマネージャーが合計し担当地区の予算となりさらにリージョナルマネージャーにあがり全店の事業計画予算となります。それをもとに3か年計画にあった設備投資、出店計画が組み込まれて実行予算として各エリア、各店舗に振り分けられます。コントローラーはそれを季節指数によって52に分類、各店の週間目標値となるわけです。大変でしょう、これがチェーンストアの予算管理の在り方なのです・・・ 

 数値は店舗のオペレーションの結果としてあらわれる。このスローガンで日々営業という事になるのです。

 異常値(原価や人件費や水光熱に対して)の早期発見早期改善

 売り上げの極端な低下(時間帯別のどの時間が問題か)、競合の状況、天候や事故、道路状況の変化例えば工事などの有無、近所のイベント、などから整合性を求めるのです。食器の破損率・・・とくにコーヒーカップは毎週在庫棚卸していました。というのは最も提供頻度が高いからです。また原価では肉類の在庫も毎週重点チェックによって劣化の発見と適正在庫の確認など、じつに細かい制度となっていました。

 これら一連の計数制度もある欠点を抱えていたということに気づき始めたのは一年たったころでした。


 またの機会にそのはなしをいたします。欠点とはなにか、どういった事態が訪れたか・・・
posted by 筆文字や隆庵 at 12:00| Comment(0) | イラストデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月19日

外食事業の職務分掌

承前・・・

市場規模云々といった話は、私たち現場の仕事をしている者たちにとってさしたる重要性を持っているわけではない、日々のオペレーションに必死に取り組んでいくだけであってあくまでも知識として取り入れておくべき存在であった。ともあれ、1980年代のチェーン展開企業に属していた我々現場マネージャーたちは日々をどのように生きていたのであろうか・・・業界全体の勉強会 チェーン志向企業の社員たちの研修会(外部のコンサルタント会社などの勉強会なるものがあり各社の若きマネジャーたちとの企業横断の交流などもあり意見交換等したものであった)など他社の情報を知ると皆同じようなものだったことを覚えています。

米国発の理論によれば、売上は商品力と立地によってほぼ決まるのだという事であった、とすると立地は昨年のまま、商品も同じということなのにその伸び方は店舗間格差があったのも事実であり、その業績によって賞与の差と組織上の昇格、降格という事態もそれに連動していたという事なのです。

理屈通りだとすると各マネジャーの手腕と売上の関連性は薄いはずなのにやはり差がでてくるのは立地判定に問題があったという事なのか。

 さて、私がマネジメントしていた神奈川の店舗は赴任した時点から3か月後より13か月連続売上前年130%という伸びをみせ、社内でも優良店舗となりその30%からさらに20%以上つまり開店当初の予定年商の50%アップを記録したという事で社内の表彰を受け金一封を毎月インセンティブとしていただくという快挙?を継続2年間という事になったのです(少し自慢)、ちなみにそのインセンティブは働いた従業員、パートアルバイトを含む全員に対して労働時間を基準にした分配をしたわけですが、実はそれに対する規定はなくマネージャーが自由に活用していいのですが分配という方法を選んだのでした。

 これらのことからか、一致団結した店として社内の他店舗から視察に来るまでになったのでした。

 こういった一連の業務推進が上司から認められたのだと思うのですが、事業年度がかわり組織一新ということで、地区8店舗のスーパーバイザーとして昇進したのであります。(※スーパーバイザーとはチェーン組織上ではスタッフということであり計数管理に関しての責務はなく同じ8店舗のエリアマネージャーの参謀的な役割をもってチェーン店の標準オペレーション、マニュアルに準じているかのチェックと指導助言を職務とする。バイザーとは遮るものといういみでありスーパーはその遮るものを越えるという意味であり高所から事態を観察するのである)

 と言いながら実際の業務は、人手不足の補填要員、エリアマネージャーからの要請など又は店舗からの要請によって「○○店のヘルプお願い」とばかりそのことに終始していたような気がして、ストアマネージャー時代がよかったなぁと一時悩んだことがありましたが、ともかく給与も上がったことだし(確か10%アップ・・これは賞与当時年間5か月分いただいていたというか予算化されててその算定基準の元になるので収入的には満足)職務分掌通りの仕事を身に着けていこうと考えたのでした。


 当時の社のマニュアル・・「職務基準表」にはこう記されていました。

 1 ストアマネージャー(ユニットマネージャー)

  本社より与えられた資産を保全し活用することによって予算イコール実績

  を目指す。予算とは損益勘定科目の利益を計上すること。

 2 エリアマネジャー、担当店舗の合計損益結果として達成する。

 3 スーパーバイザー は上記1と2の職務遂行の対して社の全体が標準オペレーション遂行できているかに関して監督と是正を行う事・・・このことでブランドを維持しなければならない。

 今日の落書はこれ 👇

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2025年01月18日

外食市場の変遷

私たちがマネジメントの勉強を始めた以前、チェーン企業の発展黎明期の頃の外食市場はどんな経緯でどのように売上が推移していったかが経済白書に記録されていたものを図書館にて発見したので参考までに記してみます。

1974年頃・・・1位 日本食堂  309憶

         2位 ニュートーキョー 146億

         3位 養老商事     133億

          4位 北国商事     130億

         5位 魚国       130億  

 なんとなく当時の様相が分かります。列車食堂と駅を拠点としたスタイルの日本食堂、ニュートーキョーはビヤホール、洋食

 養老の瀧などの居酒屋 そして道産子ラーメンの北国 給食の魚国

といった面々というのが当時の順位。それが8年後の1982年には

 1位 マクドナルド  700億  

 2位 小僧寿し    675億

 3位 すかいらーく  538億

 4位 ロイヤル    500億

 5位 ダイエー外食事業グループ  498億

 という事でチェーン企業が上位を占めており市場規模で23兆円をこえたころで自動車産業を抜いたといわれたころ・・

 最近では

 1位 ゼンショーグループ・・合併提携を繰り返した結果 5250憶で一位

 2位は ガストを擁するすかいらーくグループ・・・3500憶

 3位 コロワイドグループ 様々な業態     2300億

 4位に マクドナルド 1893億 という具合で

 市場規模全体で30兆円を超えているのですが

 基本は一店舗ずつの積み重ねであるという事に変わりは在りません。


 一時期一世を風靡した少なくない企業が入れ替わっており飲食企業の寡占化傾向にあるといえます。

  お客の外食体験の積み重ねの結果使い分けされていくといった現象があらゆる業態間で起きています。

 チェーン時代からポストチェーン時代への移行はおそらく21世紀の初めに起きた狂牛病騒ぎを境に従来のチェーンの在り方を見直しを迫られていったものと思われます。

 マネジメントの在り方も変化していったのですね。ということで

 今日の落書きは👇

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2025年01月17日

チェーン店組織論

企業が組織での戦いに挑むとき、その優劣をどこに求めるのか、どういう戦略・戦術で競合他社に勝ち優位な経営を維持していくのかといった思想がチェーン店を支えているのです。

 もっともどんな事業体でも同じことなんでしょうが、ここでは私の経験上外食チェーン業界に関してのお話をします。学問的な業界分類ですと、11店舗以上で同じ看板、メニュー、ブランドで出店をしているという条件下の企業グループを「チェーン店」といい10店舗以下では「支店経営」というそうです。

 今となったらどうでもいい話ですがともかくも私が業界にいたころに何を学習し実践していって店舗運営に当たっていたかというと・・・

 そのT 言葉の統一のための「チェーン用語701」の暗記と理解例えば

スーパーバイザーとは何か、ストアマネジャーとは、エリアマネジャーとは、マーチャンダイジングとは、・・・これらの統一用語を全社員が覚えなければならなかったのです。もともとアメリカ軍の組織論をもとに組み立てられたのがチェーンストア理論であり、戦闘オペレーションがモデルなんです。

 アメリカ軍はその国の成り立ちから言って多人種の国家なので所謂移民文化が各州によって形成されていました。それによって言語の微妙なニュアンスが伝わりにくい背景があったものと想像できます。

 軍の組織をそのままチェーン企業に応用したのが始まりだったのだときいてます。

 その2 現実的な話としては何店舗あっても結局のところ外食店は「ローカルビジネス」地域顧客によってしか成立しえないというのも事実ではあります。ただ、大量一括仕入れとか出店の際の設計施工のコストも単独店と比べて低いコストで可能であったり、工場の有効活用によって店舗の客席部分が広くとれるといった話は当然ながらチェーンならではのメリットはあります。

 しかし、最も大きい効果は一店舗で起きた様々な問題が全店に情報としてつたわり経営改善のヒントを与えてくれるという事、単独店の一日はただの一日ですがチェーン店の一日は×店数ということになり、そのぶん加速度的にノウハウが共有されるという事といえます。

その3.ユニットが五つで一つのエリア・・・5店舗には5人のストアマネージャー、5人のアシスタントマネージャーがいて その上の階層に一人のエリアマネージャーがいるという事、でその上は地域のマネージャー、といった階層が存在し全体をコントロールしているという組織となっていました。地域の定義は特にありませんが我が国では、関東、関西、中部、九州、といった分け方が通常でした。もちろん店数によるのですが「リージョナルマネージャー」という職制でした。そのうえが「ゼネラルマネージャー」で通常役員クラス

遠隔の単独店には一店舗でありながらもエリアマネジャークラスがストアマネジャーとして配置されてました。

その4.ストアマネージャー会議は、週一回のエリア会議、月一のリージョナル会議そして年度会議全店出席という階層ごとの会議があって若き僕らはそこで営業成績などをもとに追求されていくのです。つらかった・(´;ω;`)ウゥゥ

 以上の仕事を進めていくのが「ラインオペレーション部隊」職務は稼ぐことと節約する事。そのためには損益計算書が作れて、読めなければならないという事になっていて「計数管理会計」のプロにならなければいけなかったというわけだから、このころの私たちの仲間はとっても優秀だったよねと自画自賛・・・・

ラインマネージャーの仕事は本質的に計数管理が日々の行動にどう変化をもたらすのかを体で覚えるという事に尽きるのです。忙しかったという言葉は具体性がないので使うな・・・とよく叱られたものです。
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2025年01月16日

朝食オペレーション・・体験談として

昨日のはなしの続き(朝食オペレーションの改善に関して)・・・米国本社スーパーバイザーの指導とはどんな内容だったか、というとまず彼らといっても2名でしたが厨房にて朝食営業を見せてあげるという事でスタンバイから作業開始・・・私たちは見てるだけ・・・開店準備

 その前に前提条件というはなし「まず料理提供の遅れの原因は調理工程そのものの欠陥というのではなく全体の連携作業、つまりはお客様を迎える前の客席担当からの情報が大事という事、いいかお客がいきなり玄関に現れるわけでは無かろう、この店は外の状況が分かるように大きな窓というのがそもそもの設計コンセプトなんだ。ということはお客の行動が前もってわかるという事であって、同じくオープンキッチンという事も同様な意味があるという事を理解せよ」と・・・二番目に「メニューブックの構成をみろ・・朝食メニューのset写真が掲載されていて目立つように工夫されているのだ、米国本社では数十年の出数データが蓄積されていて最も多くのお客が注文したのがこのセットの写真なんだよ。全米に1000店近く存在している店のデータであって確率はすこぶる高いのである」と・・・・だからこの写真メニューを構成する内容を優先的に作ればいいのだ。という事なのだしかも来客100人に対しての各々の出数もあらかじめ予想しやすくなっているという事の説明をしてくれました。

三番目にサービス担当のグリーティングで「このセットの組み合わせがが好まれていますアメリカ人は特にパンケーキが好きみたいです」というように指示がなされる。

 ところで日本における外食市場とくに朝食市場は未成熟でお客自身も店でのふるまい方を知らないのだから、やはり啓蒙していかなければならないという事で、明らかに店側に主導権がある時代でした。

 言葉はわるいですが、それまで水商売とよばれ奴隷的サービスを余儀なくされてきた業界が世間の中でまともな評価を受け始める予感らしきものがあったのである。

 さて指導の四番目 作り置きと予測調理の違い、温度管理の限界値を習得焼きあがったパンケーキの賞味時間の厳守、焼き上がりからお客様のもとへ届き且、スタンダードな価値を維持するための時間を何分みるのかなどこまかな作戦など・・・

 さて、この話を実践していったらどんどん焼いているパンケーキ、スクランブルエッグ、などがピークの時ほど早く提供できるのです。あらかじめ予想していたように商品の注文の偏りがあって(そのように仕掛けている)スムーズなオペレーションが可能になったというお話でした。

 専門的に言うと「プロダクトミックス」とその活用法ということですね。

無意識のうちに仕入していた材料の発注量も実はこの理論からなりたっていたんですがね・・・

 予測と実績、天候と客数、商品出数、時間帯別来客数、地域の催し物、ありとあらゆる環境に合わせた予定を組むという科学的オペレーションを学んだ次第です。
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2025年01月15日

デザイナー外食産業で働いていた

本年は私の仕事のルーツといっていい「外食業の現場」というテーマで当時の日々の出来事、思っていたことや実行していたことを示していこうと思っています。前回はチェーンストアに関しての勉強と現実のはざまの葛藤という事でお話をさせていただきました。

 今日はその続編・・・営業現場での事

この当時の営業時間は朝8時から翌2時(深夜の) 8時から11時まではモーニングタイムでしたが、その時のメニューが今でいう「プリフィックス」という形でこのようなものでした・・・・1.冷たいお飲み物を選んでいただきます選択@オレンジジュースAグレープフルーツジュースBトマトジュースのいずれか

2.卵料理の選択@ボイルドエッグAサニーサイド(目玉焼きの事なんだけど)

Bスクランブルエッグの三つから選択、これがまたややこしくてそれぞれ詳しく言うとサニーサイド固め、柔らか、両面焼きの有無などスクランブルはレア・ミディアム、ウェルダン・・・などの選択含む 3.メイン @トースト

AフレンチトーストBパンケーキからの選択 4.サラダ @フレンチドレッシング Aサウザンアイランドドレッシング から二者択一 5.温かい飲み物@コーヒーA紅茶Bミルクからの選択・・・これを一緒のテーブルのお客様がバラバラに注文するというシステムで・・もう混乱するのは目に見えていますがこれがアメリカ直輸入のやり方という事で、現場のスタッフのオペレーションはがたがた、提供時間30分以上1時間かかったこともありクレームのオンパレード、しかもランチタイム突入時間と相まってなにがなんやらわからないまま肉体的にも精神的にも疲れ切り、ピークのランチタイムを迎えるというのが実態でした。

 要するに現代のホテルモーニングビュッヘをテーブルオーダーでやろうとしいたわけですから、想像するだけでも混乱ぶりが思い出されます。

しかも大混乱、クレームの渦、へとへとになりながら100人のお客で5万円の売上、そう売価500円という事です。この事態の打開策として、若き新卒幹部候補生は何をしたか・・・もとはといえばモーニングメニューのつまづきから一日が始まり終日混乱したままなのだから朝を簡単に変えればいいだろうという事で、メニューそのものを以下のように変えたのです。

 問題解決は卵の選択と主食であるパンの部分だからそこを変更、印刷された立派なメニューを引っ込め自分たちの手描きのメニューを作って対応しようということで、卵はゆでたまごのみ・・・これなら作り置きが出来るし余ったとしてもランチのサラダに回せる。パンはトーストのみ。ドリンクは比較的簡単だし調理の必要はなし・・・という事で開店して一週間にてこのように変更したのであった。結果は上々、さしたるクレームもなくゆとりをもってランチタイムに突入できるためクィックサービスが可能となり、売上も適切な動きになって行ったモーニングで5万円・・・当初の5万よりは楽に稼げた、ランチが

200名×800円で16万・・という具合に推移していくのですが、、ここで大きな問題に突き当たったのです。それは・・・フランチャイズ契約している米国の○○社の本部から「契約違反」というクレームがきたわけです。契約という事の重みは我が国とは違い、彼の国では最重要課題としてとらえられておりこのままだと違約金数千万課せられる恐れがあるという通達でした。

たかがモーニングメニューだけでこれかと思っていたのですが、このモーニングメニューこそがアメリカ本国において発展してきた礎でありこのことで君たちは(わが社の)契約したのではないかと詰め寄られたというわけです。

 勝手な真似をするなっていうこと・・・モーニングメニューをもとに戻さなければなりませんが、僕たちとしたらその混乱ぶりを説明しましたがうまく言葉も微妙なニュアンスが伝わらず、また英語も未熟なためか納得いただけません。

その時米国からきていた(契約違反だと詰め寄ってきたリーダーexecutive)

マネージャーが言った。「オ〜ライ、ではここに私と一緒に来ているスーパーバイザー2名を置いていくから、オペレーションを学べ」と期間は2週間だという事で、翌日から英語によるオペレーションの理論と実践訓練に入って行ったのです。

 日本での展開一号店のために僕たちのグループは交代で米国の店舗で研修してきたはずなのに結果何も学んでなかったという事になるわけです。そもそも外食などというものは小売業のようなものと高をくくっていたのかもしれません。いずれにせよゆらねばならない、なにしろ一年で20店舗倍々で3年後100店が契約内容に書かれているという事なんだものね。

 もう一度基礎からやりなおしという事になりました。

コンティニュー・・・次回そのトレーニング内容についての話です
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2025年01月14日

外食産業の体験

私が就職した関西に本社があるとある流通企業からの配転によって、外食産業といわれるお店の店長として赴任した場所が、神奈川県の厚木というところ

国道246号線ロードサイドにある100席程度の所謂「ファミリーレストラン」でした。

 市場が拡大傾向にある時代で同業各社出店競争が激化している真っ最中の頃

レストランでの食事が贅沢感あったころにリーズナブルでしゃれた店、マニュアル化されたサービスと均質の料理に多くのお客が週末におとずれ家族での華やかな食体験を満喫していました。

 郊外の住宅に住む家族が週末にそろって外食を楽しむ・・というのが一つのレジャーとして定着しかかった時代ともいえるのです。ですから、出店しさえすれば繁盛する。といった公式に各社場所取り合戦の様相を呈していたのです。客単価がおおよそ600円〜800円程度、客数が月間25,000〜位として月商が1500万〜2000万、100席程度の店としては当時かなりの繁盛店です。

日祭日ともなると1,000人以上の来客があったという経営としては上出来な販売力で且つ売上対比の利益率は20%強という、益率からいえばスーパーの10倍以上、食品スーパー業態によっては益率1%ぐらいでしたから20倍ということになります。・・・こんなうまい商売を見過ごすわけにはいかん・・とばかり流通小売業の経営者はこぞって外食産業へと参入していったのです。

一時期は全国に100社程度の外食会社が存在していました。今思い出してる店の多くはすでにありませんが・・・とにもかくにも産業化ステップの第一世代の話です。

 従来の水商売感覚の経営から脱却しなければならないとばかり、各社大卒の社員を大量に入社させ近代感覚の経営手法を導入し積極的に勉強していったわけです。その際に学んだものは米国の軍隊組織から発した組織論というものであり、のち我が国においては「チェーンストア理論」という一種の学問として我々当時の社員たちは徹底的に学んでいったのです。

 しかし現実は急激な出店に人材が追い付かずなかなか理論の実践化というところまでは未達。とはいえ前に進まなければということなのでかなりのハードワークだったことは事実。今なら完全なるブラック企業ですね月に一度あるかないかの休日、大体一日12時間以上の店舗勤務、本部での勉強会などともかくもみな生き生きと働いた時代。我が国の外食の社会的地位を上げるのだといった意気込みだけで日々を送っていったと記憶しています。

 なにせ30代そこそこの店長がそれぞれの店舗年商2億の管理してるのですから地方に行けばちょっしたおおだなの若旦那みたいなもんですよね、そんな我々が自分より年上の調理師さんやパートのおばちゃんを使っていくんだから肉体を駆使したリーダシップをとるしかないでしょ。

 このころのエピソードは次回に



コンティニュー・・・

 今日の落書き👇
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2025年01月13日

デザイナーの提言

飲食店はメニューが大事・・・全く当たり前の話なんですが単なる味がいいとかという問題ではなく商品の意味訴求といった要点を踏まえつつ料理のレベル・ブラッシュアップを図りましょうという事です。「おいしいのは当たり前」です。今や食品メーカーですらハイレベルクォリティを実現していますから、飲食店に求められる期待値も相当なレベルが要求されるという事です。
 外食産業の黎明期であったとされている1970年代の各店は皆横並びのラインアップ。ハンバーグを中心にした洋食ファミリーレストランの乱立により当時の日本人の外食習慣に変化を与えたのとマーケットの成熟化を推進していったといえます。
 流れからみると洋食系ファミリーレストランに続き和食系のファミリーレストランの台頭によってバラエティ化が進んでいきます。チェーン企業として前者はロイヤル、すかいらーく(後のガスト)、スーパー系ではデニーズ、フォルクス、ビッグボーイ等、後者は関西のさと、藍屋、九州では庄屋などありいずれも何でもそろったバラエティレストランというジャンルになります。
 お酒の飲めるバラエティ居酒屋チェーンも登場してくるのが1980年代のバブル期でした。それまでつぼ八も養老の瀧チェーンが席巻していた市場に、女性が入りやすい居酒屋チェーンが進出。新宿にあった天狗といった大400席を越える大型店が都会に現れてきます。このような経緯はますます市場の成熟化に拍車をかけ、人々の外食に対する目が肥えてきて、要求も高度なものとなって行くのは当然のことです。
 そして原点回帰「メニューの充実」ということで店は専門色を訴求していく事になり結果的に横に広がっていった商品・料理のブラッシュアップのために縦に深耕させていくという方針に転換されていくわけです。
 専門レストランの登場、品種優先の品揃えがテーマとなっていったのです。
なんでもありからこれしかないというマーケティング活動が今後の方向だと考えます。
 本年のデザイナーブログテーマは徹底して「食」にこだわった論評をしていきたいと考えています。

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2025年01月10日

コンセプトの具現化作業

そもそも旅館における商品とは何でしょうか、考えてみたいと思います。それは、総合的に見ていかなければなりません。

 立地・・ロケーション、交通アクセスも商品の一部、便利だとか不便だとかではなく旅館のコンセプトとしてどうかという点を見なければなりません。「ぽつんと一軒家」にワクワクドキドキ感か゛あるがごときです。

当然うたい文句というキャッチコピーは必要でしょうが・・・

 業界では様々なキャッチコピーがあります。

100万ドルの夜景は世界三大夜景の一つに選ばれました・・・とか

1000年から続いているいで湯の里とか・・・満天の星々がまるで降ってくるような何とか高原の一角に・・・とか

 ロケーションを紹介するキャッチコピーはとても重要なことです。

 問題はそのような優位なロケーションに恵まれていない立地環境の場合どうしましょうか、

 それ以外にキャッチコピーを求めなければならないのです。例えばその地域の独特な歴史背景とその歴史に纏わる出来事、生産される特産品とか、農産物などの紹介とそれらの象徴的な造形物など

 また、地域特色を生かした料理や飲み物などの紹介などがあります。

訪れたお客様がどの様な非日常体験を期待感を高めるといったことも考察していきます。他にもたくさんの要素があることでしょう。

 これらの資源をまとめておき情報発信のコンテンツとして常に用意しておくことと発信媒体として手に取ってみる臨場感がある「パンフレット」「旅日記帳」などを用意する方法があります。

 デザイナーとしての私はこれらの媒体の数々をコンセプト表現ツールとして制作しています。


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2025年01月09日

旅館コンセプトの事例

どんな物語を提供するのか、その方針を決めるのがコンセプト。

コンセプトはお客と旅館との接着剤のようなもの。

物理学の法則の中に「波長共鳴の法則」というものがあります。コンセプト表現のためにどんな波長を発信するのかは重要な要素です。表現のためのアプリケーションを展開するには、この施設に関係するすべての人に共有してもらわなければならないという事を知っておきましょう。関係者とは、設計者、施工業者、金融機関、地域の有力者、ビジュアルデザイナー、インテリアデザイナー、もちろん働いてくれる社員、スタッフ、オーナー、管理者 広告制作者広告媒体のコンテンツデザイナー、そしてお客様・・・

 これらの人々によって一つの旅館が存在していると考え、計画しそれを実行しなければなりません。

 冒頭の画像は山林を開発し、切り開いた木々を製材し建物を建築しその山間を整備し、温泉旅館を開発した事例。

 「自然とともに生きている私たち」といった主張をこめて全部で13棟の離れ形式の佇まいを演出した旅館。

 コンセプトは「失われつつある日本の原風景」ということで、素朴感、ときめき感、懐かしい田舎感・・・をふんだんに展開

 敷地には水田在り、畑在り、小川が流れ、夏には蛍が飛び交うそんな空間をお客様に楽しんでもらってる旅館

 私はこんなショップカードのデザインを提供しています。

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2025年01月08日

旅館ブランディングの研究


ブランディングを考察する

サービス業というのは結果的にローカルビジネスであり、自分の目の前でお客様の消費活動のすべてが展開されるという数少ない業種の一つであります。だからこそ自店の特徴、強味や弱みも含めたブランド的なものすべてが繰り広げられるという事を忘れてはいけないのです。

特に旅館・ホテルともなりますと部屋を販売するといった特色があり年間の客室稼働率という数字目標がついて回るのは宿命といっていいでしょう。

昔と異なって団体旅行といったビジネスチャンスは個性化している顧客ニーズが全盛期の現代では衰退してきているのが実情であり、従来の観光客団体客を集客をメインにしている旅館の苦戦が業界内での大きな悩みといっていいでしょう。

 我が国の産業構造の変化を背景にした顧客の変化・・・

 多人数の顧客に対するサービスと小グループに対するサービスの違い

 宿泊サービスを購入する人が一体だれかという意思決定者の変化

 そういったサービス提供方法をどんな媒体で情報発信していくのか・・

これらの課題を一つずつ解決していくのですが、その際に大事なポイントとして「ブランディング」があげられると思うのです。

 従来型の団体受け入れを主としてきた施設にとっては、そのビジネスモデルからドラスティックに変化させていかなければならないので一層の努力が求められていくのです。

 そこでデザイナーである私は、まずコンセプトを明確化する事から始めましょうと語りたいのです。

・・・お客様がどの様な生活体験をこの旅館で送るのかを脚本家として、書いてみましょう。・・・

 これは個客サービスを提供する事業者にとって当然考えておかなければならないことなんです。飲食店も同様、美容室も同様、お客様の心の中に分け入って物語を想像してみましょう。そののちコンセプトの構築といった手順となるのです。

 お客のプロフィール、同伴同行する人との関連性、大体の年齢層、

 昨今の流行トレンドの把握、どんなファッション、どんな持ち物、どんな車種、細かく分類、類推してみます・・・そこから導かれるコンセプトは何か?

 そのコンセプトを表現するためにデザインというものが必要という事になってます。いずれもっと詳しく説明いたします。
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2025年01月07日

デザインと飲食店の関係性

人々がお店を選ぶという行為を促すためには視認性を考えなければならない。当然ですがそのことによって来店されるのがお客様。

店が選ばれるポイントをどう考えどう表現していくのか、どんな主張をもって来店促進にするのか、そのことを考えてみたいと思います。長年このことを考え続けているデザイナーである私は、まず以下のごとき前提を自らに課しています。

 それは、汎用のデザインを使わないという事でどこにでもあるような簡単に出来るようなデザインをまず否定する事、全国チェーンが使うようなタイプ・のデザインも商業エリアにおいて同質化現象を引き起こしている感があるので小規模店にはまず使えません。次にネット上で氾濫している無料の画像、写真なども使えません、簡単アプリのデザインも没、物まねデザインなどは論外にしてもテンプレだけならまだ利用価値としては便利性があります。

 以上の前提からどのように店舗のビジュアル情報を発信するかにかかっているのがデザインという仕事だと思っています。

 ファーストインプレッションの個性化をどう図っていくか、数多い中から自店舗を選んでいただくための仕掛けをどうしようかと考えるわけです。

以前読んだ本「センスの哲学」千葉雅也著 文芸春秋より出版

の中にこんな文章がありました

センスとは一体なんであるかといわれると・・・それは常識的にあるものの中にある一種のトゲのようなものを直観的に情報としてキャッチすること・・

また、連続性のあることから非連続性をもっているリズムに反応することなどと記されていました。

 このことを前述した同質化現象を持っているデザインに当てはめてみるとそれらのデザイン群は「あっ、どこにでもあるデザインの雰囲気だな」といった人々のセンスでとらえるのです。これらを採用している企業・店舗には確かに安心感のようなものはあります。しかし飲食店が本来もっている「わくわく感ドキドキ感、好奇心」みたいな刺激性を感じることは少ないでしょう。

人々が個性化してきているしその客を狙っているお店側がなすことは「違和感」の演出だとデザイナーの私は主張しています。

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