2025年03月22日

デザイナーマーケティングを語る

マーケティング用語の中に「ペルソナ」という言葉があります。

その意味といえば「人格」「プロフィル」とでもいえばいいのでしょうが、

店が自分のお客様として設定する目安として、顧客層というか商売する時に誰に勝ってもらう商品なのかといったことを考えます。コンセプトに応じたターゲットなどといいますが、「ペルソナ」とはさらに細かいところまで設定します。いうなれば顧客層というより顧客像といえます。

 設定項目としては、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、家族構成、趣味、特技、価値観、ライフスタイルなど、想像を具体的に展開し顧客モデルを設定し、商品開発、サービス、デザイン、など提供する戦略を明確化していく手段として考えるのです。

 したがって「顧客層」というより「顧客像」「ターゲット」ではなく「ペルソナ」という事になります。

 前回かいた「マーケティング調査」といった定量データやSNSなどのつぶやき状況などを加味したうえでこのの「ペルソナ」との整合性を検証していきましょう・・

 顧客像が何を欲し、なにに困っているかなど「ペルソナ」設定で考えやすくなっていきます・・・定期的な見直しはもちろん必要ですが・・・

 こうすることによってあらゆる顧客像に合わせるのではなく、ニーズの絞り込みによる「クォリティ」を高めることやコスト、ロスを防ぐことが出来ます。

 事例としてこんな「ペルソナ」を設定して店づくりアドバイスをしたことがあります。

 50代の会社員、中間管理職である課長、直属の部下は係長以下5人、業績維持に四苦八苦していて結構ストレス在り、年収700万円だが家のローンも残っていて、子供の学費(大学生)の負担も多いことから、遊興費はあまり使えない、会社の接待もあって「飲酒の機会」も多いが個人的な「飲酒」でリラックスしたいと思う事がある。趣味は学生の頃「フォークギター」なるもので楽しんだことがありながら特別な音楽シーンにはこだわっていない。部下たちと飲みに行ったりカラオケなどの選曲にはついていけないなあと思っている。

 こういう「ペルソナ」を設定・・・

お店を出そうとしているオーナーは50代後半の元船会社の船内コックだった人で、船員ならではの余暇の使い方をしていて「フォークギター」は得意だったそうでした。

その彼が「立飲み屋」をしたいという意識があり・・そこで次のような店づくりを提案・・・

 場所は地方都市の繁華街、料理屋、飲み屋、スナックなどが乱立、その中で店主自らに出来るだけストレスのたまらないお客に来てもらおうという事にしました。テーマは「むかし取った杵柄」「懐かしい感じ」「青春フォーク」を提案、店内の雰囲気は壁にレコードジャケット・・吉田拓郎、井上陽水、竹内まりあさんなどを掲示、曲も同様なスタイルで、音量は小さく、なんとなく潜在意識にしみこむようにしたこと。さそて大きな提灯に店名「元気です」といれた・・店名の由来は吉田拓郎さんのアルバム「元気です」から借用・・

結果として狙い通りのお客様が来店、この地域で評判の立飲み屋として認知されたのです。今から15年ほど前の話しで今でも60代になったオーナーは店に出ています。もっとも週3日ほどの営業だそうですが・・


 今日の一筆は👇 鉛筆画、南阿蘇高森町からの阿蘇五岳

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posted by 筆文字や隆庵 at 10:26| Comment(0) | イラストデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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