企業が組織での戦いに挑むとき、その優劣をどこに求めるのか、どういう戦略・戦術で競合他社に勝ち優位な経営を維持していくのかといった思想がチェーン店を支えているのです。
もっともどんな事業体でも同じことなんでしょうが、ここでは私の経験上外食チェーン業界に関してのお話をします。学問的な業界分類ですと、11店舗以上で同じ看板、メニュー、ブランドで出店をしているという条件下の企業グループを「チェーン店」といい10店舗以下では「支店経営」というそうです。
今となったらどうでもいい話ですがともかくも私が業界にいたころに何を学習し実践していって店舗運営に当たっていたかというと・・・
そのT 言葉の統一のための「チェーン用語701」の暗記と理解例えば
スーパーバイザーとは何か、ストアマネジャーとは、エリアマネジャーとは、マーチャンダイジングとは、・・・これらの統一用語を全社員が覚えなければならなかったのです。もともとアメリカ軍の組織論をもとに組み立てられたのがチェーンストア理論であり、戦闘オペレーションがモデルなんです。
アメリカ軍はその国の成り立ちから言って多人種の国家なので所謂移民文化が各州によって形成されていました。それによって言語の微妙なニュアンスが伝わりにくい背景があったものと想像できます。
軍の組織をそのままチェーン企業に応用したのが始まりだったのだときいてます。
その2 現実的な話としては何店舗あっても結局のところ外食店は「ローカルビジネス」地域顧客によってしか成立しえないというのも事実ではあります。ただ、大量一括仕入れとか出店の際の設計施工のコストも単独店と比べて低いコストで可能であったり、工場の有効活用によって店舗の客席部分が広くとれるといった話は当然ながらチェーンならではのメリットはあります。
しかし、最も大きい効果は一店舗で起きた様々な問題が全店に情報としてつたわり経営改善のヒントを与えてくれるという事、単独店の一日はただの一日ですがチェーン店の一日は×店数ということになり、そのぶん加速度的にノウハウが共有されるという事といえます。
その3.ユニットが五つで一つのエリア・・・5店舗には5人のストアマネージャー、5人のアシスタントマネージャーがいて その上の階層に一人のエリアマネージャーがいるという事、でその上は地域のマネージャー、といった階層が存在し全体をコントロールしているという組織となっていました。地域の定義は特にありませんが我が国では、関東、関西、中部、九州、といった分け方が通常でした。もちろん店数によるのですが「リージョナルマネージャー」という職制でした。そのうえが「ゼネラルマネージャー」で通常役員クラス
遠隔の単独店には一店舗でありながらもエリアマネジャークラスがストアマネジャーとして配置されてました。
その4.ストアマネージャー会議は、週一回のエリア会議、月一のリージョナル会議そして年度会議全店出席という階層ごとの会議があって若き僕らはそこで営業成績などをもとに追求されていくのです。つらかった・(´;ω;`)ウゥゥ
以上の仕事を進めていくのが「ラインオペレーション部隊」職務は稼ぐことと節約する事。そのためには損益計算書が作れて、読めなければならないという事になっていて「計数管理会計」のプロにならなければいけなかったというわけだから、このころの私たちの仲間はとっても優秀だったよねと自画自賛・・・・
ラインマネージャーの仕事は本質的に計数管理が日々の行動にどう変化をもたらすのかを体で覚えるという事に尽きるのです。忙しかったという言葉は具体性がないので使うな・・・とよく叱られたものです。
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