人々がお店を選ぶという行為を促すためには視認性を考えなければならない。当然ですがそのことによって来店されるのがお客様。
店が選ばれるポイントをどう考えどう表現していくのか、どんな主張をもって来店促進にするのか、そのことを考えてみたいと思います。長年このことを考え続けているデザイナーである私は、まず以下のごとき前提を自らに課しています。
それは、汎用のデザインを使わないという事でどこにでもあるような簡単に出来るようなデザインをまず否定する事、全国チェーンが使うようなタイプ・のデザインも商業エリアにおいて同質化現象を引き起こしている感があるので小規模店にはまず使えません。次にネット上で氾濫している無料の画像、写真なども使えません、簡単アプリのデザインも没、物まねデザインなどは論外にしてもテンプレだけならまだ利用価値としては便利性があります。
以上の前提からどのように店舗のビジュアル情報を発信するかにかかっているのがデザインという仕事だと思っています。
ファーストインプレッションの個性化をどう図っていくか、数多い中から自店舗を選んでいただくための仕掛けをどうしようかと考えるわけです。
以前読んだ本「センスの哲学」千葉雅也著 文芸春秋より出版
の中にこんな文章がありました
センスとは一体なんであるかといわれると・・・それは常識的にあるものの中にある一種のトゲのようなものを直観的に情報としてキャッチすること・・
また、連続性のあることから非連続性をもっているリズムに反応することなどと記されていました。
このことを前述した同質化現象を持っているデザインに当てはめてみるとそれらのデザイン群は「あっ、どこにでもあるデザインの雰囲気だな」といった人々のセンスでとらえるのです。これらを採用している企業・店舗には確かに安心感のようなものはあります。しかし飲食店が本来もっている「わくわく感ドキドキ感、好奇心」みたいな刺激性を感じることは少ないでしょう。
人々が個性化してきているしその客を狙っているお店側がなすことは「違和感」の演出だとデザイナーの私は主張しています。
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