2025年01月28日

デザイナー水商売を語らせて

Wikipediaによると

水商売(みずしょうばい)とは、利用者の遊興を目的とし、客のひいきによって成り立つ盛衰の激しい商売。例として、待合・貸座敷・料理店・バーなど酒場・キャバレーなどに客からの人気によって収入が大きく上下する商売。水稼業とも言われる。

とある。

外食産業という近代経営を飲食事業に適用し、「脱水商売」といった旗印を掲げ上場企業を創ろうとの意気込みで、少なくない企業が同じビジョンをもって邁進していきました。わたしもその中の末席を汚していたのですが、故あってその企業を辞して、新たな道を歩み出したという話は前回いたしました。

 脱水商売といったスローガンをどういう行動で示していったかというと。

先ず身だしなみ、出勤時における服装はスーツ姿である事。髪は耳が見える長さで調整する事。匂いのきつい整髪料禁止、などなど

 きわめて普通なのですが、この業界の先人たちはその辺が無頓着であったという事、たばこを吸うマナーも、言葉遣いも、日常生活も云々・・・といったことを入社してすぐに教育され、当たり前のビジネスマンとして日々仕事にかかるようにと口酸っぱく言われてました。

「産業化の第一歩は人材教育から」とばかり、チェーン化推進企業各社はこぞって教育に予算を割り振っていました。またその前段としてリクルート活動も大卒狙いでした。

 こういった環境で外食の仕事をしていた私は、今回の転職においてまざまざとその「水商売的感覚」が従業員のなかにあるのだといった現実を見ることになったのです。

 スーパー繁盛店であるこの店舗は社長の元に調理師30名、仲居さん30名とかなりの大所帯で運営されていて、その組織運用にはかなりの苦労があったという事を社長から聞かされるのです。

 私自身こんな世界があるのかという衝撃を受けるほどの世間知らずであったのです。当初は売上金の管理マネージャーだった私がいよいよこの組織の中でもまれていく事になります。

 社長からのミッションは日本料理界での「近代経営化」推進の一助を担ってくれという事でした。・・・そのために私を入社させたのだと・・・

 色々な人が組織にいました。ある店で借金していてどうにもならない環境下の仲居さんとそのご主人の板前さんを借金事まとめて引き取ったという社員。

転々と職場を変えて腰の落ち着かない調理師。

 若き調理師と恋仲になってる仲居さんやら・・結構大変だなあと思った次第ですがとにもかくにも、まずは仲良くなるための雑談から始めていったのです。当時私の立場は社長付マネージャーという事で指示伝達の橋渡しを担当するという事になっていました。

 新進気鋭の社長は直情型、剛腕で社員たちはかなりピリピリした中で仕事をしていました。ですから末端の意見など社長の耳に届くわけなくて社長自身もその事はわかっているのだが、さてどうすればいいかは理解されてなかったようです(社長の日頃のたいどだよ・・・と言ってやりたかったのですが)

 この会社では賄いというものがあって皆が一斉に食事をとるという習慣があって仲居さんはパントリーというところで食事をとりマネジメントの連中はその仲居さんと一緒に取っているらしい・・マネジメントの連中とは@経理常務の社長の親戚A営業担当の専務は弟さんBそして私

 ・・この体制から調理と接客の間に溝があったと推測してしまいます。

調理師は厨房の中で(とにかく広い)まとまって食事する。ということ

仲良くなるための雑談の成果か私はいつの日か料理長と一緒に厨房内で若き調理師たちと一緒に食事をするということになって行きます。

 その折にフードサービス論といった話をすることが恒例となっていきます。

ともかく今のままじゃ時代遅れとなろうといった気持ちがめばえていった調理師が増えていったようでした。というのは彼らの大半はゆくゆくは独立して店を出したいと思っているからです・・

 調理師といった技術者としての道を歩むものとしてはおおむね二つの方向が考えられます。一つは独立して店主となる道・もう一つは企業戦士として社内に残り役員を目指す道。・・・これはどんな業種にも当てはまるかもしれないけど特に「飲食業界」は顕著ではないでしょうか。

 スペシャリスト候補、ゼネラリスト候補といってチェーン企業でもそれらのキャリアプランは在りました。

問題なのはこの二者の範疇以外の思考をもっている社員・・彼らには日々の給与と休日に対しての要望が最優先という事も段々とわかってきました。

 という日々を送ったというのが私にとって貴重な体験ではありました。
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2025年01月24日

デザイナー外食企業で働く

この物語はデザイナーとしての私が過去どのような経緯で今があるのかを綴っていこうと、本年のブログテーマに揚げたものです。

さて、入社7年後

スーパーバイザーから地区本部電算室へ・・コントローラーという職務に赴く

地区本部所属の2エリア15店舗の計数、年度事業計画の策定と予算管理実績追求といった職務、収支計画と支払いといった仕事をしている経理部ではなくより実践的な日々の営業に直結した計数管理を店舗に指導指示助言を与えるといった職務で、管理会計・部門別管理を徹底するといった趣旨で作られた作業部会、1人で20店舗前後の店舗をうけもつのですが現代のような情報機器がありませんので大方は手作業という事になります。・・・しかしこのアナログ的な作業のおかげでのちのちの仕事に大きく役立ったのはありがたいことだったのかも・・・

 店舗は日々生き物のように動いています。だから通常の〆1か月の経理仕事では結果が出るまでの時間がかかるため改善のための施作がおくれるという話になって新たに「週間損益計算書」のシステム導入ということになったのです。要するに年間52週分の損益を毎週追跡するということになりました。という事は毎週棚卸があり、毎週人件費計算がありということで現場が大変という事でコントローラーの存在意義があるのです。

 数字の変化はただ単に数字があるのではなく、現場において何らかの行動の変化があったから結果として数字にあらわされるという事は、現場に精通しているマネージャーからの転身しているスタッフじゃないと判断できない仕事

それがコントローラーです。

 どのような流れかというと、年度末までに各店舗の年間事業計画が各店のマネジャーから上がってきます。それをエリアマネージャーが合計し担当地区の予算となりさらにリージョナルマネージャーにあがり全店の事業計画予算となります。それをもとに3か年計画にあった設備投資、出店計画が組み込まれて実行予算として各エリア、各店舗に振り分けられます。コントローラーはそれを季節指数によって52に分類、各店の週間目標値となるわけです。大変でしょう、これがチェーンストアの予算管理の在り方なのです・・・ 

 数値は店舗のオペレーションの結果としてあらわれる。このスローガンで日々営業という事になるのです。

 異常値(原価や人件費や水光熱に対して)の早期発見早期改善

 売り上げの極端な低下(時間帯別のどの時間が問題か)、競合の状況、天候や事故、道路状況の変化例えば工事などの有無、近所のイベント、などから整合性を求めるのです。食器の破損率・・・とくにコーヒーカップは毎週在庫棚卸していました。というのは最も提供頻度が高いからです。また原価では肉類の在庫も毎週重点チェックによって劣化の発見と適正在庫の確認など、じつに細かい制度となっていました。

 これら一連の計数制度もある欠点を抱えていたということに気づき始めたのは一年たったころでした。


 またの機会にそのはなしをいたします。欠点とはなにか、どういった事態が訪れたか・・・
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2025年01月19日

外食事業の職務分掌

承前・・・

市場規模云々といった話は、私たち現場の仕事をしている者たちにとってさしたる重要性を持っているわけではない、日々のオペレーションに必死に取り組んでいくだけであってあくまでも知識として取り入れておくべき存在であった。ともあれ、1980年代のチェーン展開企業に属していた我々現場マネージャーたちは日々をどのように生きていたのであろうか・・・業界全体の勉強会 チェーン志向企業の社員たちの研修会(外部のコンサルタント会社などの勉強会なるものがあり各社の若きマネジャーたちとの企業横断の交流などもあり意見交換等したものであった)など他社の情報を知ると皆同じようなものだったことを覚えています。

米国発の理論によれば、売上は商品力と立地によってほぼ決まるのだという事であった、とすると立地は昨年のまま、商品も同じということなのにその伸び方は店舗間格差があったのも事実であり、その業績によって賞与の差と組織上の昇格、降格という事態もそれに連動していたという事なのです。

理屈通りだとすると各マネジャーの手腕と売上の関連性は薄いはずなのにやはり差がでてくるのは立地判定に問題があったという事なのか。

 さて、私がマネジメントしていた神奈川の店舗は赴任した時点から3か月後より13か月連続売上前年130%という伸びをみせ、社内でも優良店舗となりその30%からさらに20%以上つまり開店当初の予定年商の50%アップを記録したという事で社内の表彰を受け金一封を毎月インセンティブとしていただくという快挙?を継続2年間という事になったのです(少し自慢)、ちなみにそのインセンティブは働いた従業員、パートアルバイトを含む全員に対して労働時間を基準にした分配をしたわけですが、実はそれに対する規定はなくマネージャーが自由に活用していいのですが分配という方法を選んだのでした。

 これらのことからか、一致団結した店として社内の他店舗から視察に来るまでになったのでした。

 こういった一連の業務推進が上司から認められたのだと思うのですが、事業年度がかわり組織一新ということで、地区8店舗のスーパーバイザーとして昇進したのであります。(※スーパーバイザーとはチェーン組織上ではスタッフということであり計数管理に関しての責務はなく同じ8店舗のエリアマネージャーの参謀的な役割をもってチェーン店の標準オペレーション、マニュアルに準じているかのチェックと指導助言を職務とする。バイザーとは遮るものといういみでありスーパーはその遮るものを越えるという意味であり高所から事態を観察するのである)

 と言いながら実際の業務は、人手不足の補填要員、エリアマネージャーからの要請など又は店舗からの要請によって「○○店のヘルプお願い」とばかりそのことに終始していたような気がして、ストアマネージャー時代がよかったなぁと一時悩んだことがありましたが、ともかく給与も上がったことだし(確か10%アップ・・これは賞与当時年間5か月分いただいていたというか予算化されててその算定基準の元になるので収入的には満足)職務分掌通りの仕事を身に着けていこうと考えたのでした。


 当時の社のマニュアル・・「職務基準表」にはこう記されていました。

 1 ストアマネージャー(ユニットマネージャー)

  本社より与えられた資産を保全し活用することによって予算イコール実績

  を目指す。予算とは損益勘定科目の利益を計上すること。

 2 エリアマネジャー、担当店舗の合計損益結果として達成する。

 3 スーパーバイザー は上記1と2の職務遂行の対して社の全体が標準オペレーション遂行できているかに関して監督と是正を行う事・・・このことでブランドを維持しなければならない。

 今日の落書はこれ 👇

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2025年01月18日

外食市場の変遷

私たちがマネジメントの勉強を始めた以前、チェーン企業の発展黎明期の頃の外食市場はどんな経緯でどのように売上が推移していったかが経済白書に記録されていたものを図書館にて発見したので参考までに記してみます。

1974年頃・・・1位 日本食堂  309憶

         2位 ニュートーキョー 146億

         3位 養老商事     133億

          4位 北国商事     130億

         5位 魚国       130億  

 なんとなく当時の様相が分かります。列車食堂と駅を拠点としたスタイルの日本食堂、ニュートーキョーはビヤホール、洋食

 養老の瀧などの居酒屋 そして道産子ラーメンの北国 給食の魚国

といった面々というのが当時の順位。それが8年後の1982年には

 1位 マクドナルド  700億  

 2位 小僧寿し    675億

 3位 すかいらーく  538億

 4位 ロイヤル    500億

 5位 ダイエー外食事業グループ  498億

 という事でチェーン企業が上位を占めており市場規模で23兆円をこえたころで自動車産業を抜いたといわれたころ・・

 最近では

 1位 ゼンショーグループ・・合併提携を繰り返した結果 5250憶で一位

 2位は ガストを擁するすかいらーくグループ・・・3500憶

 3位 コロワイドグループ 様々な業態     2300億

 4位に マクドナルド 1893億 という具合で

 市場規模全体で30兆円を超えているのですが

 基本は一店舗ずつの積み重ねであるという事に変わりは在りません。


 一時期一世を風靡した少なくない企業が入れ替わっており飲食企業の寡占化傾向にあるといえます。

  お客の外食体験の積み重ねの結果使い分けされていくといった現象があらゆる業態間で起きています。

 チェーン時代からポストチェーン時代への移行はおそらく21世紀の初めに起きた狂牛病騒ぎを境に従来のチェーンの在り方を見直しを迫られていったものと思われます。

 マネジメントの在り方も変化していったのですね。ということで

 今日の落書きは👇

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2025年01月17日

チェーン店組織論

企業が組織での戦いに挑むとき、その優劣をどこに求めるのか、どういう戦略・戦術で競合他社に勝ち優位な経営を維持していくのかといった思想がチェーン店を支えているのです。

 もっともどんな事業体でも同じことなんでしょうが、ここでは私の経験上外食チェーン業界に関してのお話をします。学問的な業界分類ですと、11店舗以上で同じ看板、メニュー、ブランドで出店をしているという条件下の企業グループを「チェーン店」といい10店舗以下では「支店経営」というそうです。

 今となったらどうでもいい話ですがともかくも私が業界にいたころに何を学習し実践していって店舗運営に当たっていたかというと・・・

 そのT 言葉の統一のための「チェーン用語701」の暗記と理解例えば

スーパーバイザーとは何か、ストアマネジャーとは、エリアマネジャーとは、マーチャンダイジングとは、・・・これらの統一用語を全社員が覚えなければならなかったのです。もともとアメリカ軍の組織論をもとに組み立てられたのがチェーンストア理論であり、戦闘オペレーションがモデルなんです。

 アメリカ軍はその国の成り立ちから言って多人種の国家なので所謂移民文化が各州によって形成されていました。それによって言語の微妙なニュアンスが伝わりにくい背景があったものと想像できます。

 軍の組織をそのままチェーン企業に応用したのが始まりだったのだときいてます。

 その2 現実的な話としては何店舗あっても結局のところ外食店は「ローカルビジネス」地域顧客によってしか成立しえないというのも事実ではあります。ただ、大量一括仕入れとか出店の際の設計施工のコストも単独店と比べて低いコストで可能であったり、工場の有効活用によって店舗の客席部分が広くとれるといった話は当然ながらチェーンならではのメリットはあります。

 しかし、最も大きい効果は一店舗で起きた様々な問題が全店に情報としてつたわり経営改善のヒントを与えてくれるという事、単独店の一日はただの一日ですがチェーン店の一日は×店数ということになり、そのぶん加速度的にノウハウが共有されるという事といえます。

その3.ユニットが五つで一つのエリア・・・5店舗には5人のストアマネージャー、5人のアシスタントマネージャーがいて その上の階層に一人のエリアマネージャーがいるという事、でその上は地域のマネージャー、といった階層が存在し全体をコントロールしているという組織となっていました。地域の定義は特にありませんが我が国では、関東、関西、中部、九州、といった分け方が通常でした。もちろん店数によるのですが「リージョナルマネージャー」という職制でした。そのうえが「ゼネラルマネージャー」で通常役員クラス

遠隔の単独店には一店舗でありながらもエリアマネジャークラスがストアマネジャーとして配置されてました。

その4.ストアマネージャー会議は、週一回のエリア会議、月一のリージョナル会議そして年度会議全店出席という階層ごとの会議があって若き僕らはそこで営業成績などをもとに追求されていくのです。つらかった・(´;ω;`)ウゥゥ

 以上の仕事を進めていくのが「ラインオペレーション部隊」職務は稼ぐことと節約する事。そのためには損益計算書が作れて、読めなければならないという事になっていて「計数管理会計」のプロにならなければいけなかったというわけだから、このころの私たちの仲間はとっても優秀だったよねと自画自賛・・・・

ラインマネージャーの仕事は本質的に計数管理が日々の行動にどう変化をもたらすのかを体で覚えるという事に尽きるのです。忙しかったという言葉は具体性がないので使うな・・・とよく叱られたものです。
posted by 筆文字や隆庵 at 10:05| Comment(0) | イラストデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月16日

朝食オペレーション・・体験談として

昨日のはなしの続き(朝食オペレーションの改善に関して)・・・米国本社スーパーバイザーの指導とはどんな内容だったか、というとまず彼らといっても2名でしたが厨房にて朝食営業を見せてあげるという事でスタンバイから作業開始・・・私たちは見てるだけ・・・開店準備

 その前に前提条件というはなし「まず料理提供の遅れの原因は調理工程そのものの欠陥というのではなく全体の連携作業、つまりはお客様を迎える前の客席担当からの情報が大事という事、いいかお客がいきなり玄関に現れるわけでは無かろう、この店は外の状況が分かるように大きな窓というのがそもそもの設計コンセプトなんだ。ということはお客の行動が前もってわかるという事であって、同じくオープンキッチンという事も同様な意味があるという事を理解せよ」と・・・二番目に「メニューブックの構成をみろ・・朝食メニューのset写真が掲載されていて目立つように工夫されているのだ、米国本社では数十年の出数データが蓄積されていて最も多くのお客が注文したのがこのセットの写真なんだよ。全米に1000店近く存在している店のデータであって確率はすこぶる高いのである」と・・・・だからこの写真メニューを構成する内容を優先的に作ればいいのだ。という事なのだしかも来客100人に対しての各々の出数もあらかじめ予想しやすくなっているという事の説明をしてくれました。

三番目にサービス担当のグリーティングで「このセットの組み合わせがが好まれていますアメリカ人は特にパンケーキが好きみたいです」というように指示がなされる。

 ところで日本における外食市場とくに朝食市場は未成熟でお客自身も店でのふるまい方を知らないのだから、やはり啓蒙していかなければならないという事で、明らかに店側に主導権がある時代でした。

 言葉はわるいですが、それまで水商売とよばれ奴隷的サービスを余儀なくされてきた業界が世間の中でまともな評価を受け始める予感らしきものがあったのである。

 さて指導の四番目 作り置きと予測調理の違い、温度管理の限界値を習得焼きあがったパンケーキの賞味時間の厳守、焼き上がりからお客様のもとへ届き且、スタンダードな価値を維持するための時間を何分みるのかなどこまかな作戦など・・・

 さて、この話を実践していったらどんどん焼いているパンケーキ、スクランブルエッグ、などがピークの時ほど早く提供できるのです。あらかじめ予想していたように商品の注文の偏りがあって(そのように仕掛けている)スムーズなオペレーションが可能になったというお話でした。

 専門的に言うと「プロダクトミックス」とその活用法ということですね。

無意識のうちに仕入していた材料の発注量も実はこの理論からなりたっていたんですがね・・・

 予測と実績、天候と客数、商品出数、時間帯別来客数、地域の催し物、ありとあらゆる環境に合わせた予定を組むという科学的オペレーションを学んだ次第です。
posted by 筆文字や隆庵 at 12:35| Comment(0) | イラストデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月15日

デザイナー外食産業で働いていた

本年は私の仕事のルーツといっていい「外食業の現場」というテーマで当時の日々の出来事、思っていたことや実行していたことを示していこうと思っています。前回はチェーンストアに関しての勉強と現実のはざまの葛藤という事でお話をさせていただきました。

 今日はその続編・・・営業現場での事

この当時の営業時間は朝8時から翌2時(深夜の) 8時から11時まではモーニングタイムでしたが、その時のメニューが今でいう「プリフィックス」という形でこのようなものでした・・・・1.冷たいお飲み物を選んでいただきます選択@オレンジジュースAグレープフルーツジュースBトマトジュースのいずれか

2.卵料理の選択@ボイルドエッグAサニーサイド(目玉焼きの事なんだけど)

Bスクランブルエッグの三つから選択、これがまたややこしくてそれぞれ詳しく言うとサニーサイド固め、柔らか、両面焼きの有無などスクランブルはレア・ミディアム、ウェルダン・・・などの選択含む 3.メイン @トースト

AフレンチトーストBパンケーキからの選択 4.サラダ @フレンチドレッシング Aサウザンアイランドドレッシング から二者択一 5.温かい飲み物@コーヒーA紅茶Bミルクからの選択・・・これを一緒のテーブルのお客様がバラバラに注文するというシステムで・・もう混乱するのは目に見えていますがこれがアメリカ直輸入のやり方という事で、現場のスタッフのオペレーションはがたがた、提供時間30分以上1時間かかったこともありクレームのオンパレード、しかもランチタイム突入時間と相まってなにがなんやらわからないまま肉体的にも精神的にも疲れ切り、ピークのランチタイムを迎えるというのが実態でした。

 要するに現代のホテルモーニングビュッヘをテーブルオーダーでやろうとしいたわけですから、想像するだけでも混乱ぶりが思い出されます。

しかも大混乱、クレームの渦、へとへとになりながら100人のお客で5万円の売上、そう売価500円という事です。この事態の打開策として、若き新卒幹部候補生は何をしたか・・・もとはといえばモーニングメニューのつまづきから一日が始まり終日混乱したままなのだから朝を簡単に変えればいいだろうという事で、メニューそのものを以下のように変えたのです。

 問題解決は卵の選択と主食であるパンの部分だからそこを変更、印刷された立派なメニューを引っ込め自分たちの手描きのメニューを作って対応しようということで、卵はゆでたまごのみ・・・これなら作り置きが出来るし余ったとしてもランチのサラダに回せる。パンはトーストのみ。ドリンクは比較的簡単だし調理の必要はなし・・・という事で開店して一週間にてこのように変更したのであった。結果は上々、さしたるクレームもなくゆとりをもってランチタイムに突入できるためクィックサービスが可能となり、売上も適切な動きになって行ったモーニングで5万円・・・当初の5万よりは楽に稼げた、ランチが

200名×800円で16万・・という具合に推移していくのですが、、ここで大きな問題に突き当たったのです。それは・・・フランチャイズ契約している米国の○○社の本部から「契約違反」というクレームがきたわけです。契約という事の重みは我が国とは違い、彼の国では最重要課題としてとらえられておりこのままだと違約金数千万課せられる恐れがあるという通達でした。

たかがモーニングメニューだけでこれかと思っていたのですが、このモーニングメニューこそがアメリカ本国において発展してきた礎でありこのことで君たちは(わが社の)契約したのではないかと詰め寄られたというわけです。

 勝手な真似をするなっていうこと・・・モーニングメニューをもとに戻さなければなりませんが、僕たちとしたらその混乱ぶりを説明しましたがうまく言葉も微妙なニュアンスが伝わらず、また英語も未熟なためか納得いただけません。

その時米国からきていた(契約違反だと詰め寄ってきたリーダーexecutive)

マネージャーが言った。「オ〜ライ、ではここに私と一緒に来ているスーパーバイザー2名を置いていくから、オペレーションを学べ」と期間は2週間だという事で、翌日から英語によるオペレーションの理論と実践訓練に入って行ったのです。

 日本での展開一号店のために僕たちのグループは交代で米国の店舗で研修してきたはずなのに結果何も学んでなかったという事になるわけです。そもそも外食などというものは小売業のようなものと高をくくっていたのかもしれません。いずれにせよゆらねばならない、なにしろ一年で20店舗倍々で3年後100店が契約内容に書かれているという事なんだものね。

 もう一度基礎からやりなおしという事になりました。

コンティニュー・・・次回そのトレーニング内容についての話です
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2025年01月14日

外食産業の体験

私が就職した関西に本社があるとある流通企業からの配転によって、外食産業といわれるお店の店長として赴任した場所が、神奈川県の厚木というところ

国道246号線ロードサイドにある100席程度の所謂「ファミリーレストラン」でした。

 市場が拡大傾向にある時代で同業各社出店競争が激化している真っ最中の頃

レストランでの食事が贅沢感あったころにリーズナブルでしゃれた店、マニュアル化されたサービスと均質の料理に多くのお客が週末におとずれ家族での華やかな食体験を満喫していました。

 郊外の住宅に住む家族が週末にそろって外食を楽しむ・・というのが一つのレジャーとして定着しかかった時代ともいえるのです。ですから、出店しさえすれば繁盛する。といった公式に各社場所取り合戦の様相を呈していたのです。客単価がおおよそ600円〜800円程度、客数が月間25,000〜位として月商が1500万〜2000万、100席程度の店としては当時かなりの繁盛店です。

日祭日ともなると1,000人以上の来客があったという経営としては上出来な販売力で且つ売上対比の利益率は20%強という、益率からいえばスーパーの10倍以上、食品スーパー業態によっては益率1%ぐらいでしたから20倍ということになります。・・・こんなうまい商売を見過ごすわけにはいかん・・とばかり流通小売業の経営者はこぞって外食産業へと参入していったのです。

一時期は全国に100社程度の外食会社が存在していました。今思い出してる店の多くはすでにありませんが・・・とにもかくにも産業化ステップの第一世代の話です。

 従来の水商売感覚の経営から脱却しなければならないとばかり、各社大卒の社員を大量に入社させ近代感覚の経営手法を導入し積極的に勉強していったわけです。その際に学んだものは米国の軍隊組織から発した組織論というものであり、のち我が国においては「チェーンストア理論」という一種の学問として我々当時の社員たちは徹底的に学んでいったのです。

 しかし現実は急激な出店に人材が追い付かずなかなか理論の実践化というところまでは未達。とはいえ前に進まなければということなのでかなりのハードワークだったことは事実。今なら完全なるブラック企業ですね月に一度あるかないかの休日、大体一日12時間以上の店舗勤務、本部での勉強会などともかくもみな生き生きと働いた時代。我が国の外食の社会的地位を上げるのだといった意気込みだけで日々を送っていったと記憶しています。

 なにせ30代そこそこの店長がそれぞれの店舗年商2億の管理してるのですから地方に行けばちょっしたおおだなの若旦那みたいなもんですよね、そんな我々が自分より年上の調理師さんやパートのおばちゃんを使っていくんだから肉体を駆使したリーダシップをとるしかないでしょ。

 このころのエピソードは次回に



コンティニュー・・・

 今日の落書き👇
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2025年01月13日

デザイナーの提言

飲食店はメニューが大事・・・全く当たり前の話なんですが単なる味がいいとかという問題ではなく商品の意味訴求といった要点を踏まえつつ料理のレベル・ブラッシュアップを図りましょうという事です。「おいしいのは当たり前」です。今や食品メーカーですらハイレベルクォリティを実現していますから、飲食店に求められる期待値も相当なレベルが要求されるという事です。
 外食産業の黎明期であったとされている1970年代の各店は皆横並びのラインアップ。ハンバーグを中心にした洋食ファミリーレストランの乱立により当時の日本人の外食習慣に変化を与えたのとマーケットの成熟化を推進していったといえます。
 流れからみると洋食系ファミリーレストランに続き和食系のファミリーレストランの台頭によってバラエティ化が進んでいきます。チェーン企業として前者はロイヤル、すかいらーく(後のガスト)、スーパー系ではデニーズ、フォルクス、ビッグボーイ等、後者は関西のさと、藍屋、九州では庄屋などありいずれも何でもそろったバラエティレストランというジャンルになります。
 お酒の飲めるバラエティ居酒屋チェーンも登場してくるのが1980年代のバブル期でした。それまでつぼ八も養老の瀧チェーンが席巻していた市場に、女性が入りやすい居酒屋チェーンが進出。新宿にあった天狗といった大400席を越える大型店が都会に現れてきます。このような経緯はますます市場の成熟化に拍車をかけ、人々の外食に対する目が肥えてきて、要求も高度なものとなって行くのは当然のことです。
 そして原点回帰「メニューの充実」ということで店は専門色を訴求していく事になり結果的に横に広がっていった商品・料理のブラッシュアップのために縦に深耕させていくという方針に転換されていくわけです。
 専門レストランの登場、品種優先の品揃えがテーマとなっていったのです。
なんでもありからこれしかないというマーケティング活動が今後の方向だと考えます。
 本年のデザイナーブログテーマは徹底して「食」にこだわった論評をしていきたいと考えています。

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2025年01月10日

コンセプトの具現化作業

そもそも旅館における商品とは何でしょうか、考えてみたいと思います。それは、総合的に見ていかなければなりません。

 立地・・ロケーション、交通アクセスも商品の一部、便利だとか不便だとかではなく旅館のコンセプトとしてどうかという点を見なければなりません。「ぽつんと一軒家」にワクワクドキドキ感か゛あるがごときです。

当然うたい文句というキャッチコピーは必要でしょうが・・・

 業界では様々なキャッチコピーがあります。

100万ドルの夜景は世界三大夜景の一つに選ばれました・・・とか

1000年から続いているいで湯の里とか・・・満天の星々がまるで降ってくるような何とか高原の一角に・・・とか

 ロケーションを紹介するキャッチコピーはとても重要なことです。

 問題はそのような優位なロケーションに恵まれていない立地環境の場合どうしましょうか、

 それ以外にキャッチコピーを求めなければならないのです。例えばその地域の独特な歴史背景とその歴史に纏わる出来事、生産される特産品とか、農産物などの紹介とそれらの象徴的な造形物など

 また、地域特色を生かした料理や飲み物などの紹介などがあります。

訪れたお客様がどの様な非日常体験を期待感を高めるといったことも考察していきます。他にもたくさんの要素があることでしょう。

 これらの資源をまとめておき情報発信のコンテンツとして常に用意しておくことと発信媒体として手に取ってみる臨場感がある「パンフレット」「旅日記帳」などを用意する方法があります。

 デザイナーとしての私はこれらの媒体の数々をコンセプト表現ツールとして制作しています。


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